SEASCAPE 1
SEASCAPE 1
地球の風景をミニマルに切りとったモノクロ写真。空と海。水平線にはいよいよ登らんとする朝陽の兆し。太古から毎日繰り返される変わらない眺め。
一見すると鉛筆精密描写にも見えますが、正真正銘モノクロ写真です。
近くでは波の模様がダイナミックで(写真のピントが合っているのは遠く彼方なので若干粗めの画質にも見えますが、その分、)遠くに行く程微細になり、均一化され穏やかです。それはまるで人生のメタファーのようでもあります。日々、喜怒哀楽の人生も、俯瞰してみれば繰り返される波の模様のよう。視野を広げることで、ふと優しい気持ちになれる風景なのかもしれません。
杉本氏の「海景」は長時間露光の芸術作品ですが、本作品は一瞬を写し、ディテールを楽しみながらも悠久を感じるカジュアルなデザイン・ポスターです。不変で、美しいものを追求したらここにたどり着きました。